飲酒が運転に与える影響について
1滴でもアルコールを飲んで運転したらダメというのが、現在の国民感情ではないだろうか。しかし、道路交通法では、飲酒運転を大きく分けて「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」と定義しています。
酒気帯び運転
呼気(吐き出す息のこと)1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された状態
酒酔い運転
まっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど客観的に見て酔っている状態
酒酔い運転は、基準値以下でも、お酒に弱い人は起こりうることです。
では、酒酔い運転ではない状態で、基準値以下の場合はどうでしょうか。
警察庁が、アルコールが運転に与える影響の調査研究を平成17年、平成18年に行っています。運転シュミレータを使って、平成17年24名、平成18年18名を観察しています。
目標呼気濃度が、平成17年は0.0,0.10、0.15,0.20の4条件、平成18年は、0.0、0.10、0.15、0.20から0.10に低下した状態の4条件で実験しています。
アルコール濃度が高くなるに従い、反応時間が長くなる傾向がある。そして、無反応、誤反応が増える。速度や車線内位置が大きくなる。アルコールの影響は複雑な作業をする場合に、より顕著に現れる。
低濃度のアルコールの影響は、個人差がある。そして、操作系より認知や判断系の作業に影響をあたえる。
アルコール濃度が同じ場合は、その経過は関係なく同じような影響をあたえる。という結果になっています。
20名の実車での実験も行われ運転シュミレータと同じ結果になったということです。
データ数が少ないため今後さらなる検証が必要となっている。
まとめとして、飲酒をしてない場合と、呼気濃度0.10mg/l程度の飲酒をした場合、アルコールの影響は個人差があり、被験者全体について統計的な検定を行っても、有意な差は1部の指標に限られた、ということです。