道交法第68条(共同危険行為等の禁止)

2人以上の、自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に、迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。となっています。

本条は、いわゆる暴走族による不法な行為の禁止について定めたものです。

道路とは、歩道と車道の区別がある道路では、その両方が含まれるようです。

違反となる実行行為には、運転者の共同の意思の存在が必要です。必ずしもそれらの違反に係る運転者のすべての間において、意思の連絡又は相互認識の交換が必要ではないようです。現場における共同の意思さえ成立すれば足りるものと考えられている。

意思の内容は、著しく道路における交通の危険を生じさせること、又は著しく他人に迷惑を及ぼすことなる事態の発生を予見できたこと、そして、その違反行為に加わり、集団で通行している途中で、交通の危険や他人への迷惑を及ぼす事態が発生しているのに、集団から離脱しないで通行し続ける意思を有している場合も含まれるようです。

また、交通の危険と他人に迷惑を及ぼす行為とは、実際に、及ぼしたかどうかは問わない、とされている。

対象となる行為の例は、広がり通行(道路いっぱいに広がって通行する)、巻込み通行(暴走族集団の車両以外の車両を中に巻き込んで事実上その車両の走行の自由を拘束して走行するもの)、蛇行運転(集団が一体となって蛇行しながら走行するもの)、交互追い越し、(暴走族の集団がいくつかのグループに分かれ、それらが交互に追越しを行いながら走行するもの)、信号無視(集団で赤信号を無視して走行する)、一定区間内の周回(一定区間の走路上において、周回、急発進、急停止等を行い、他の車両の通行を遮断するもの)、渋滞時の渦巻き(前方が渋滞していて進行できないときに、その場でぐるぐる回るもの)

等がある。

罰則 2年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。

(参考 注解 道路交通法)